今日は僕の得意分野であるITに絡めたブランディングの話です。

”インテルはいってる”

が当たり前の世の中になりました。

WindowsのPCには必ずシールが貼られています。

え、それインテル入ってないの?

大丈夫なやつなの?

と、感じる人もいるようです。
(僕の周りにも言ってる人が本当にいた)

Appleも長らくインテル化を拒んでいましたが、2006年から採用しました。
近年のCPU業界において最大のターニングポイントだったかもしれません。

インテルはアメリカに本社を置く、CPU(コンピュータの脳)を製造販売する世界最大の会社です。

そのCPU界の巨人の最強のキャッチコピーであり日本でもお馴染みの、

“インテルはいってる” = “Intel Inside”

は、実は日本で誕生しました。

(※注 誕生当時は”Intel In It”)

そして、さらに意外なことは、

新入社員を集めるための施策として生み出された、ということです。

インテルは就活生に相手にされなかった

設立当初のインテル日本法人は、中途採用を中心として人材を集めました。

外資系企業では王道の戦略です。

まずは即戦力を集めて少数精鋭で戦い、基盤ができたら新卒を取ります。

インテルの新卒採用は1980年から始まりました。
ところがその新卒採用で、インテルは辛酸をなめることになります。

新卒が志望してくれない。
内定を出しても、その後にすぐ断られてしまう。

採用担当が内定を断った学生にその理由を聞いたところ、
「親に反対されたから」
と答えたそうです。その理由は、

(1)名前を聞いたことがない企業であること
(2)外資系の会社は社員に冷たい

ということ。

当時、外資系企業は就活市場のマイノリティで国内の大手企業に就職することが至高とされた時代です。

また、当時のパソコンにはインテルのシールは貼られておらず、
CPUはあくまで一部品として取り扱われていたため、そのブランドは知られていませんでした。

箱の中なんて、誰も興味がなかったのです。

この状況を受けてインテルは動きます。
専門チームを作り、パソコンメーカーに”Intel In It”のシールを添付するように働きかけました。

活動初期は自身のPCのブランディングを進めていたPCメーカーから、
「二重のブランディング」になってしまうという理由で断られました。

そこで、パソコンメーカー優位のマーケティング施策を提案し続け、ようやく受け入れられました。

最初に”Intel In It”が貼られたパソコンは東芝製です。

家電量販店にはインテルのシールが貼られたPCが並び始め、認知度を急速に広めていきました。

ブランドの逆転現象

”インテル入ってる”のPR戦略も相まって、インテル製のCPUが使われていることがPCの信頼度を高めるという逆転現象が起こり始めます。

東芝の後にNEC、富士通などの国内大手も続きました。
その後、”インテル入ってる”のマーケティング戦略は世界展開されていきます。

当時、AMDなどのCPUメーカーとしのぎを削っていたインテルですが、
このブランディング戦略でライバル達に先んじることに成功します。

そして、2016年現在。

「CPUはインテル」がPCのデファクトになりました。

新卒を集めるためにスタートした企画でしたが、もたらした結果は非常に大きなものでした。
現在、インテルは優秀な人材が殺到する世界有数の一流企業です。

ブランディングに投資する価値

 ブランディングへの投資は一考の価値があります。

製品の質を高める努力をし、実績を積み重ねるだけでは、
マーケティング的なブレイクスルーは起こりにくい。

商品の質と実績を、市場に認知させてブランドを確立する。
そのための投資が必要だということ。

インテルは、当時既に高品質というブランドイメージを手にしていた東芝の力を借りました。
もちろん、商品の質が粗悪であれば市場に認知されてもブランドの継続はありませんでした。

この考え方は個人事業主においても同様で、

1.商品(自分)の質を高め続ける
2.実績を積み重ねる
3.ブランディングによって、自分のステージを上げる

1と2をずっと回るのではなく、3の戦術で一気に自分のステージを引き上げることが必要です。

あの成功した商品を手伝ったAさん。
から、一緒に仕事すると成功させるAさん。という状態へ。

高品質×PR戦略 = 確固たるブランド

ですね。

ではでは。